デスマーチの終焉 [後編]

デスマーチを終わらせるには、そこに携わる人が変わらなければならないと思う。

システム開発の10年選手には、「デスマーチなんて普通でしょ?」という感覚を持つ人がいる。ここのところ自分にも、少しそんな気持ちが芽生え初めている。「デスマーチを乗り越えるのが仕事なんでしょ」みたいな。我ながらサイアクだなあ、と。

デスマーチが当たり前になると、仕様書が無いことにも、過密スケジュールにも、疑問を持たなくなる。そこの壁を超えてきた体力と精神力は、賞賛に値するかもしれない。武勇伝デンデデンデン、と言ってもいい。でも、これがデスマーチが終わらない一番の要因だと感じている。

デスマーチは、必ず滅殺することができる。その意志が大切。

以前、会社の先輩と話していて、デスマーチの原因は、日本でのソフトウェア工学の認識度の低さにある、となった。そう、大体デスマーチが起こるような現場には、アジャイル開発なんてボキャブラリは無いんだ。意志の低さは、恐ろしい。あああ。

もうひとつ精神論を言わせてもらえれば、マネージャーは手駒である開発者に対する愛情を、デベロッパ達はマネージャーに対する愛情を、もっと強く持つべき。マネージャーがいま以上にスケジュールの問題を抱えないように、今度の納期は絶対に守るんだ、とか。そういう愛が、足りない気がする。これこそ当たり前のことだと思うけど。

デスマーチは、必ずなくなる。そこにいる人の意志次第で。

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デスマーチの終焉 [中編]

デスマーチに引導を渡すには、何をしたら良いんだろう。

問題を解決するときに踏む手順は、いつも同じだと思う。原因を突き止めて、それを除くアイディアを出し、実践する。じゃあ、デスマーチの原因は、一体なんだろう。

  • 必要工数(期間 or 人員)が、足りない。
  • 開発者(デベロッパ)が、アッパラパー。
  • 管理者(マネージャー)が、アッパラパー。
  • 営業が、アッパラパー。
  • 顧客が、アッパラパー。
  • パラッパラッパー。

個人的な経験から言うと、はじめの原因、工数不足は、間接的な原因でしかないと思う。期間も人員も膨大だとしても、デスマーチは起こる。結局、ふたつ目以降の人間の問題が、大きいのだと考えている。パラッパラッパーはさておき。

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デスマーチの終焉 [前編]

システム開発者なら誰もが一度は経験し、のちに武勇伝のように語られるデスマーチ。あの悲惨な状況から脱する方法を、考えてみる。

そもそもデスマーチとは何なのか。

実は最初、「多くの会社が年度末になる3月は忙しい」という意味だと勘違いしていた。マーチ違い。そうではなく、日本語に訳せば「死の行進」となるのが、デスマーチ。その定義に確固たるものは無いっぽいけど、単に「忙しい」のとは違う。底なし沼にズブズブ沈んでいくような感じが、デスマーチだと思っている。

たとえば。

  • 仕様は固まっていないが、リリース時期が間近なため、とりあえず「動く何か」を作らなければならない。
  • 仕事量に対する工数が足りない。各人の負担が大きいので退職者が出て、残った人の仕事量が増える、という状況がループ。
  • 1つの問題の解決に、2つ以上の問題を解決が要求され、問題がねずみ算で増えていく。
  • 非効率な方法と分かっていても、目前の納期を死守するために、その手段を用いなければならない。

これは、単に締切が近く、土日もなく働きつづけなければならない忙しさと、ワケが違う。「ここさえ耐えれば」というポジティブ思考が、通用しないから。やればやるほど、ストレスが増えるばかり。ううう。

僕は、これまでシステム開発とWeb制作の両方を扱ってきた。忙しさで言うと、短納期になりがちなWeb制作の方が、キツイもんがある。ただ、Web制作のそれはデスマーチとは違う。一方のシステム開発は、デスマーチ的要因のせいで、精神的にキツイ。

さて、そんなデスマーチに終焉は訪れるのか。(つづく)

LG.JPドメイン

今の今まで知らなかったけど、LG.JPっていう属性型ドメイン名があるのね。

local government - 地方公共団体
(a) 地方自治法に定める地方公共団体のうち、普通地方公共団体、特別区、一部行政事務組合および広域連合等
(b) 上記の組織が行う行政サービスで、総合行政ネットワーク運営協議会が認定したもの
via. IT用語辞典 e-Words

区役所のホームページなんか見ていなかったから全然知らなかった。創設は2002年と比較的最近みたい。ドメインの種類も増えているんだろうけど、まったく付いていけてない…っていうか、これは常識の範疇かもしれないな。ヤバス。

デザインを変えてみた

年も改まったところで、とりあえずブログのデザインを変更してみた。特にテーマもなく、自分の好きなように組んでいった結果、こうなった。どことなく韓国っぽいので、調子に乗ってハングルを書いてみたり、やりたい放題。いやあ、テキトーって素晴らしい。(再構築時に再度TB飛ばしてしまった人、ごめんなさい)

デザインを変更したついでに、カテゴリも整理。価値ありそうな記事を活かすために、ワケわからんエントリは全部 misc. に突っ込んでやった。これで、開発系ネタの更新について、モチベーションが上がるかもしれない。自信ないけど。

今年は、既出しまくりのネタだったり、価値の低そうなネタでも、自分としてのキヅキは、とりあえずエントリしていこうと思う。誰かの役には立つかもしれないし、自分のリファレンスになるかもしれないし。

ということで、2006年もよろしくお願いします。

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[日誌] 2005-12-31

あとわずかばかりで、2005年も終わり。苦楽あったけれども、今年も幅広く色んなモノを作って、とても充実した1年だった。

  • JFreeChart関連クラス群の作成
  • 画像変換クラス群の作成
  • ffmpegでの携帯動画変換

今年、自分として面白かったのは、このあたりの仕事。今後の示唆にも富んでいて、すごく重要な経験ができたと思う。そのチャンスをくれたチームメイトに感謝。

残念なのは、上記3項目がすべて上半期の話だということ。下半期はちょっと刺激が少なかった。とは言え、いくつか発見もあったし、視野も広がったので、来年に活かしていくつもり。また勉強しまくって頑張りますよ。

リアルな人も、バーチャルな人も、2005年ありがとうございました。

[日誌] 2005-12-18

手持ちのプロジェクトが大人の事情とかで「待ち」の状態になった。ということで、ここぞとばかりにこれとかこれとかこれに行って刺激を吸収。うん、やっぱ今はアートよりデザインが面白いデスネ。

ほどほどに仕事はあるものの時間があったので、相方に頼まれていた年賀状を作成。犬のイラストを描いていたのに、できたら豚になっていたという珍事。しかし意外にも絶賛されたので、そのまま入稿。かなりシュール。

ちなみに、Illustrator でサクっと描こうと思っていたんだけど、結構ヘビー。ペンタブレットが無いとオーガニックな曲線は難しいのかな。ベジェ描画はそこそこ得意だと思っていたんだけど。イラスト上手くなりたいなあ…仕事で使えるレベルで。

さて、そんな年賀状を誰に出そうかな。もらってくれる人、誰かー。

[日誌] 2005-11-06

今月は過去最高にやることが多そうだと思い、自分用の線票を作ってみる。

プロジェクトが5本平行で走り、中旬に校正、月末にリリースが重なっている。そして、それをほとんど独占でやらなきゃいかんことが判明。いやー、ゼッタイムリデス。その一方で、お客さんからは発注依頼が来ているというパラダイス銀河。俺、しゃかりきコロンブス。

これまで分身の術を身に付けてこなかった自分がにくい、にくすぎる。肉食いたい。とりあえず体を壊すことを目標にガンバロウ。助けてエロい人。

ところで、「せんぴょう」は線票と線表のどっちが正しいやら。

Firefox の UI フォントがぐちゃぐちゃに!

Firefox : Rediscover the web

疲れを知らない子供のように、時が二人を追い越してゆく…ぐらいの勢いで、どわーっとモリサワフォントをインストールしたら、Firefox の UI フォントが崩れて表示される始末。ブラウザのメニュー文字がじゅん 201って、結構イライラしますよ。

[ツール] - [オプション] - [全般] - [フォントと色] でフォントを指定しなおせば直ると思いきや、うまくない。正しくは、ユーザーCSSを使ってFirefoxのUI表示を改善するのように userChrome.css で font-family を指定する。

やはり UI フォントは空気みたいで良いなあ。当然そうあるべきものが、ちょっと変わるだけで大きな違和感を生む。そんな大事なことを再確認して終わる。

[日誌] 2005-10-23

あまりに心地良い秋晴れの日、昼ごはんは散歩も兼ねて代官山まで。オシャレカフェでカレーを食べ、帰りはキルフェボンでタルトを物色。あとで相方に餌付けしよう。

たったこれしきのことだけど、スゴイ開放感。久しぶりにゆっくりした気持ちになれた。ビバ・サンデーアフタヌーン。さて、明日の資料つくって、コーディングして、今日の仕事を早く終わらせよう。

そんな徹夜明けの日曜日。ヒゲが伸びてだらしない顔。

[日誌] 2005-10-01

ビジネス感覚が鈍い。

自分の提供するサービスの価格をいかに付けるべきか、指南してもらうために親交のある某社へ。そして、挨拶もそこそこに言われたのが、冒頭の一言。キツイ。

「自分の価値が分かっていない。君の会社に君の代わりができる人がいるか。いや、君の代わりができる人が、世の中どれくらいいると思う?そこで価格は自ずと決まってくるでしょう」

この説法の結論は、もっと価格を上げても良いだろう、というところだった。ただし、条件付き。もう少しシステム寄りのところで暴れないと価値が無い、と。だから、今の会社を辞めて、うちに来ないか、と。

他人事だと思って言いたい放題。

でも、世間で通用するスキルを磨くために、もっともっと頑張らなければ。とりあえず自社を顧みるのは危険だと思う今日この頃。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。

[日誌] 2005-09-25

実るほど頭を垂れる稲穂かな

東北をドライブしてきた。

直前まで仕事をしていたせいで、目的地も宿も決まらないまま、とにかく出発という流れに。しかし世の中は三連休。やっぱり温泉宿がどこも満室で焦ったけど、そういうトラブルも楽しむのが通。機転を利かせ、瞬間的にセカンドベストの企画を立てるのは面白い。そして、それがヒットだったりすると、やたら嬉しかったり。勢いの旅も、味があって良いもんだ。

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[日誌] 2005-09-17

今日から夏休みで5連休。夏に長期休暇を取るのは、社会人になってから初めて。そもそも3日以上の連休を取るのは、もう1年半ぶりくらい。ドキドキです。

ただ、いま5日間の休暇を得るために、ここ10日は死ぬほど働いた。徹夜→徹夜→徹夜とか、出張→徹夜→取材とか、殺人スケジュール。10日で20日働いた。計算合わないな。ううう。

とりあえず仕事のことは少しばかり忘れて、温泉とか行ってきますよ。と言いつつ、ギリギリまでWebでゴチャゴチャやってるんですけど。仕事大好きだわ。へへへ。

かくれんぼ

hideandseek.jpg

35mm単焦点レンズを使うからには、やっぱりそのぼけ足を堪能したい。というわけで作例です。虫のかくれんぼ。気持ち悪い。

しかし「ぼけ」を意識して写真を撮っていて、思ったことがある。「ぼけ」は手強い。背景がぼけるということは、当然ながら被写体がくっきり現れるということ。作者の意識、視点というのが、そこに如実に出てくる。逃げようがない。

何人かのスナップ写真を撮るときにね、好きな子にだけピントを合わせて他をぼかして、「君しか撮れなかったよ」なんて言いながら写真とケータイ番号を渡すとかね、そんなロマンティックなこと、俺はしないよ。もう、しない。

佃島を撮る

佃島の路地裏

カメラ片手に、昭和の町並みが残る佃島へ。路地裏に入ってパシャリ。軒を連ねる年季の入った木造家屋が素敵。自分も幼い頃は、こういう環境で遊んでいたっけなあ。懐かしや。

佃島から月島を経由して、晴海へ。晴海埠頭はレインボーブリッジとお台場、そして東京タワーを臨む、絶好の夜景スポット。故に、早朝は誰もいない。さらに曇天のため、景色も微妙…。涙という名の青春の汗でファインダーを曇らせながら、シャッターを切りまくる男がひとり。はあ。

午前中に撮影は打ち止め。100枚ちょっと撮ったけど、単焦点広角レンズでは、面白い構図を狙った方が、良い画になる気がした。遠景とか建築のパースを活かす場合は、望遠系のが良い感じかな。模索は続く。